患者会による就労支援は、行政の支援機関や専門職による支援とは、当事者の視点に立った支援という点で大きく異なります。当事者視点、それこそが最大の特徴です。
患者会には仕事に就いている人がたくさんいて、成功経験だけでなく、苦労や失敗経験が豊富にあります。この豊かな経験を基に、今、目の前にいる人の心身の状態や、家族、職場環境に応じたタイムリーで温かい支援活動(アドバイスやサポート)を行っています。いわゆるピア・サポート(ピアリスニング)です。
難病のある人が就労を継続する上で大切なのは、「自分自身の病気を知る」と「相手(事業所や同僚、上司等)の立場や気持ちになる」ことです。そして、日常生活で起こる些細な体調や症状の変化に、スムーズに対応するために必要な手段を準備することが重要です。その手段は経験に基づいた日常生活において使える手段であり、同じような体験をしている患者から得ることが効果的です。患者会は、不安を分かち合いながら、そのような手段を共有するのに適した場といえます。