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26.テレワーク

テレワークは、国が推進している「働き方改革」における9つのテーマのうちの1つで、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方と定義されています。この働き方により、通勤が難しいために働くことをあきらめていた方や通院や治療などでフルタイム勤務が難しい人、地方に在住で通勤できる範囲に企業が少ない人などにとって便利な働き方です。

テレワークでは、働く場所は、自宅で仕事をする在宅勤務、移動中や出張先などで仕事をするモバイル勤務等複数あります。最近は、自宅では仕事に集中できる環境がつくりにくい人が利用するサテライトオフィス勤務などもあります。

テレワークの頻度には完全テレワーク勤務と部分テレワーク勤務があります。通勤することが難しい場合は、完全テレワーク勤務となりますが、通勤とテレワークを組み合わせた働き方もあります。例えば、基本は通勤していても、通院日や天候等で通勤することが難しい場合などにテレワーク勤務に切り替え、仕事を休まずにすむといったメリットもあります。

テレワークで働く=在宅勤務=孤独に業務を行うイメージを持っている人も少なくないかもしれません。しかし、Web会議やメッセンジャーなど様々なコミュニケーションツールを使うことによって、出勤している時と同じように職場の上司や同僚と共にチームで仕事をすることが可能になっています。

病気や障害がありテレワークで働いている方の事例をいくつかご紹介します。

事例15 脊髄性筋萎縮症(20代、男性):コンサルティング会社勤務

病院に入院して生活介助を受けながら、病院の一角を仕事スペースにして働いています。

1日2〜3時間、週5日勤務で、企業訪問するコンサルタントにWeb会議ツールを利用して同席し、打合せの議事録作成などのアシスタント業務をするほか、メールマガジンの原稿執筆を担当しています。高校時代にテレワークという働き方を知り、この働き方なら自分も働けると確信し、在宅就労実習に参加したりWebデザインを学んだりしながら就職活動をしました。

事例16 多発性硬化症(30代、男性):外資系企業勤務

足が不自由で、歩行に杖を使うため、通勤に危険が伴うことや、体温調整ができないことから、在宅勤務での就職を目指していました。テレワーク専門の人材紹介サービスに登録して、「人間性が良ければ仕事のスキルは入社後についてくる」という人柄を重視した採用をしている企業に就職。1日8時間、週3日勤務で、自社製品を使っているユーザーからの問合せに対応するカスタマーサポート業務を担当しています。

事例17 精神障害とジストニア(40代、男性):ITサービス企業勤務

オフィス家具のデザイン業務をしていた時に精神障害を発症し退職。その後ジストニアも発症し、在宅勤務で働くことを目指し、社会福祉法人で2年間ITの在宅訓練プログラムを受講していました。社内の働き方改革を自社サービスとして展開している企業に就職し、マーケティング部門で、自社ホームページの更新などの広報業務を担当しています。
 

このように、病状の変化や定期的な通院・入院治療と就労が両立できる働き方として、テレワークはとても有効な働き方です。テレワーク制度を導入する企業も増えてきており、働き方の選択肢のひとつになっています。

テレワークとは

図:テレワークとは

今まで働きたくても
働けなかった人が働けるように!!

図:テレワークとは2

(注)実施頻度により、常時テレワークと、テレワーク勤務が週1〜2日や月数回、または1日の午前中だけなどに限られる随時テレワークがあり、実際は様々な形態で導入されています。