1.傷病手当金(健保組合・全国健康保険協会等)
傷病手当金は、公的医療保険(健康保険、国民健康保険、船員保険、各種共済組合等)の被保険者が疾病または負傷により業務に就くことが出来ない場合に、療養中の生活保障として保険者から行われる給付です。病状悪化時に経済的な問題が軽減され、治療に専念しやすくなります(申請窓口は健保組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)となります)。
1.支給される条件
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 仕事に就くことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
- 休業した機関について給与の支払いがないこと
2.支給される期間
支給開始した日から最長1年6か月です。
3.傷病手当の額
4.申請窓口
加入している健康保険の窓口(健保組合や全国健康保険協会等)
2.障害年金(市区町村国保年金担当窓口・年金事務所)
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、受け取ることができる年金です。「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があり、病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
治療や病状により、短時間労働しかできない場合でも、障害年金と給与所得を組み合わせて生計を立てることができます。
1.支給要件
国民年金(障害基礎年金)
支給要件
- 国民年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)があること
※20歳前や、60歳以上65歳未満で、日本国内に住んでいる間に初診日があるときも含む - 一定の障害の状態にあること
- 保険料納付要件
初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていることが必要。ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件なし
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
年金額
<1級> 780,100円×1.25+子の加算
<2級> 780,100円+子の加算
※子の加算
第1子・第2子各224,500円
第3子以降各74,800円
※子とは次の者に限る
・18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
・20歳未満で障害等級1級または2級の障害者
(2019年4月〜)
厚生年金保険(障害厚生年金)
支給要件
- 厚生年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)があること
- 一定の障害の状態にあること
- 保険料納付要件
初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていることが必要
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
年金額
<1級> 報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金額(224,500円)
<2級> 報酬比例の年金額+配偶者の加給年金額(224,500円)
<3級> 報酬比例の年金額最低保証額585,100円
※配偶者の加給年金
その方に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算される
※報酬比例の年金額
現役時代の報酬に、決められた係数と保険加入月数を乗じた額
日本年金機構ホームページから一部抜粋
2.障害認定時
障害基礎年金
初診日から1年6ケ月を経過した日(その間に治った場合は治った日)または20歳に達した日に障害の状態にあるか、65歳に達する日の前日までの間に障害の状態となった場合
障害厚生年金
初診日から1年6ケ月を経過した日(その間に治った場合は治った日)に障害の状態にあるか、または65歳に達する日の前日までの間に障害の状態となった場合
3.請求書の提出
障害基礎年金
年金請求書備え先:住所地の市区町村役場
請求書の提出先:住所地の市区町村役場
障害厚生年金
年金請求書備え先:年金事務所・年金相談センター
請求書の提出先:最寄りの年金事務所
4.障害認定基準
障害年金の対象となる病気やケガは、手足の障害などの外部障害のほか、精神障害やがん、糖尿病などの内部障害も対象になります。詳細は下記をご覧ください。
〇日本年金機構ホームページ 国民年金・厚生年金保険障害認定基準
3.生活保護
生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。
生活保護の相談・申請窓口は、現在お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。
生活に困窮している難病患者等に申請窓口を紹介、生活保護受給者で自立したいという場合には、生活保護のケースワーカーと連携を図りながら、就労支援や自立支援をともに行います。
1.相談窓口
社会福祉法第14条に規定されている「福祉に関する事務所」(福祉事務所)です。福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法および知的障害者福祉法)に定める援護、育成または更生の措置に関する事務を実施するとともに、福祉の総合的窓口として設置されています。
2.サービスや業務の内容
- 生活に困窮している人の相談や、生活保護の実施
- 保育所・母子生活支援施設・助産施設への入所をはじめ、児童、家庭の福祉についての相談
- 知的障害者の援護施設への入所など、知的障害者の福祉についての相談
- 母子福祉資金の貸付など、母子福祉についての相談
- 身体障害者手帳の交付、施設への入所、補装具や更生医療の給付など、身体障害者の福祉についての相談
- 老人ホームヘの入所など、高齢者福祉についての相談
【事例】地域包括支援センターとの連携
相談内容
長女から電話相談。両親が二人暮らしで、長女は遠方に住んでいて両親の手助けが出来ない状況。75 才の父親がパーキンソン病と診断され5 年が経過し、病気が進行して介護が必要になったが、72 才の母親が一人で父親の介護をしており、負担が大きい。このままだと、母親も倒れてしまうと心配している。介護保険の利用はしていない。
対応
難病相談員は、まずは介護保険の利用申請について説明しましたが、長女はすぐに両親の家に行くことができず、母親にどのように説明したら良いかわからない様子でした。そこで、両親の住所から担当の地域包括支援センターの連絡先を調べ、長女へ電話で支援を依頼するように伝えました。相談支援員からも地域包括支援センターへ事前に連絡を入れて相談の経緯を伝え、長女から連絡があった際にスムーズに支援に繋がるように連携しました。