母の死

2003年11月 自宅での療養生活を送るにあたり、沢山覚えなければ退院することができません。

看護師さんより流動食の与え方、器具の洗浄や消毒方法、人工呼吸器の取り扱い、痰の吸引方法、緊急時に備えてカニューレの装着の方法等々教えていただきました。
そんなある日私の母の死亡の知らせがありました。

入院中だったこともあり病院にお願いして実家である宮城県へ急ぎましたが、母には会うことができませんでした。

この時はなぜかあまり悲しい気持ちになりませんでした。
母はここ10数年間入退院を繰り返していました。 
私達姉妹は、何度も何度も連絡を受け交替で付き添いました。

そんな時主人は、いやな顔もせず 「行ってくれば」 と行かせてくれました。

私は、手伝いもせずに葬儀が終えると病院へ戻りました。
親戚や兄弟たちに 「早く病院にもどって波ちゃんのそばについていてあげて!」 と言われみんなの優しさをとてもうれしく思いました。

お世話になった病院を退院し、自宅療養が始まり1日のライフスタイルができ、穏やかな日々をすごせるようになって来たころ、ふと 『実家に帰っても母はもういないんだ〜』 と、なんだかとても寂しい気持ちになりました。

お陰さまで、T厚生病院とM病院を3カ月おきに定期的検査や胃ろう交換、レスパイト入院でお世話になっている間に、母のお墓参りに行くようにしています。