ALSとコミュニケーション

ALS患者は我儘な人が多いと聞いたことがあります。
ALSに限らず病に冒されると誰しもが、多少なりともなると思います。
特に自分では何一つできず、呼吸することさえ、
機械に助けられて生きているのです。

我が家も先生、看護師、ヘルパー、保健師、ケアマネージャー、
歯科衛生士、作業療法士等々沢山の方々に支えていただき、今日があります。

とても有難く思っています。

しかし一部ではありますが、ALSという難病を正しく理解していただいていない方もいるのが残念に思います。

ある方は「舌うちするのでいやな感じ」 ある方は「いつも怖い顔して、笑わない」 
ある方は「首を右へ1cm動かして、手の位置が違う、、、」と細かすぎてと。

私はそれぞれに説明をしました。

舌打ちは用事があるので呼んでいること。
筋肉が萎縮して表情を表すことが出来ないこと。
うるさいのではなく、1oも動かすことが出来ないこと。

あるALS患者さんの病室に伺った時、
文字盤で「表情が作れなくなってすみません」と話されました。
胸が熱くなったことを思い出します。

主人の場合とくに入浴後、車椅子からベッドへ戻った時、入院時、就寝時は最善のセット?を要求するように思います。
看護師さんやヘルパーさん、それに家族がベッドから離れる場合はなおさらのように思います。
あとは何度も呼んでは申し訳ないと思うからのようです。

介護事業所、訪問看護ステーション、病棟の責任者、代表者の方にお願いです。
患者を担当するスタッフに、ALS患者の症状を説明して欲しいのです。
人それぞれ、皆症状が違うからです。
私も気がついた時は、すぐお話するように心がけています。

我が家でお世話になっているスタッフの方から時々質問されます。
奥さんは今文字盤を使用していないのに、どうして手を動かしてとご主人が言ったかわかったの?
主人の目の動きから。右の手を見て次に左手を見たから。
どうして吸引して欲しいとわかったの?
吸引器(呼吸器)のおいてある上のほうを見たから。
どうして排唾管の位置だとわかったの?
口がなんとなくとがっていたから。

このように我が家を訪問するスタッフの皆さんは主人と私の会話?を注意深く見て覚えてくれることに感心しています。

主人の場合、口パク(アイウエオと口を開口して理解してもらうこと)で理解することは困難です。口が思うように動きません。
例えば寝返りと言ってもおしっこと言っても、同じ開口形になります。
私は24時間いつも一緒に生活しているので、そのときの雰囲気や状態でなんとなく理解できるようです。
(中々理解してもらえないと不機嫌な顔になります。そのときは文字盤使用します)不機嫌な顔や笑顔が出来るので助かります。

全廃となりどこも動かなくなった患者さんにはよりいっそうな配慮が必要です。

なにかまとまりのない文章になってしまいました。

ALS患者は我儘と思わず気長によりそっていただけますように!
よろしくお願いします。

2011年5月28日